混泳

コブヒトデの再生

美しいフリソデエビ(ハーレクィーンシュリンプ)を飼育するためには、エサであるヒトデが必要になります。そのエサとして安価なコブヒトデが与えられることが多いようです。5本の腕(足)を持つヒトデは、腕を切断して与えても、再生することが知られています。少し可哀そうでしたが、自宅のコブヒトデをハサミで3つに切断して、それぞれが再生をするのかを確かめてみました。うまくいけばフリソデエビ(ハーレクィーンシュリンプ)のエサとして、リフジウム水槽で繁殖させることができます。

ヒトデは、西洋では海の星(スターフィッシュ)と呼ばれ、ロマンチックな名前ですが、主なエサは二枚貝や、死んだ魚を食べる肉食です。他にはサンゴも食べてしまうオニヒトデがいます。ヒトデの捕食は、貝やカニを包み込んで食べます。ヒトデは天敵が殆どいません。但し少数ですがヒトデだけを食べるフリソデエビ、オニヒトデを食べるホラ貝などがいます。

ヒトデは、ウニに近い生き物ですが再生能力が高く、何者かに腕を攻撃されると自ら切り離しすことがります。切り離した腕は、再生するので2匹に増えます。体の中には、「水管」と呼ばれる「血管」にかわる機能があります。これは棘皮動物だけがもつもので、管内に外から取り込んだ海水が流れています。海水を輸送することで酸素や栄養を体に運んでいます。ヒトデの胃袋は、盤の内部のほとんどを占めています。口から胃袋を出してエサを食べます。ヒトデの殆どは、腹の下にある口からエサをとりこみます。こうすることで、大きなエサでも食べることができます。ただ消化する期間が長く数日から1週間かかります。

コブヒトデの切断と再生。右の図のように3つに切断しました

コブヒトデは、大きくなると20cmを超える大型のヒトデです。自宅で飼育しているコブヒトデは10cm弱の大きさですが60cm水槽では結構場所を取っています。2本の腕と1本の腕に切って3つの生体に分けてみました。実験の前に調べた情報では、2本の腕は、1年かけて同じ大きさに再生することがわかっています。但し、一般的にヒトデは1本の腕になった個体も再生すると言われていますが、コブヒトデは再生しない情報があります。実際に切断して10日が経ちますが2本の腕の個体は、水槽内を元気に這い回ていますので、問題なさそうです。1本の腕の個体はなくなっていたので、★になったようです。

切断後のコブヒトデ

コブヒトデの腕を切断する時は、2本の腕を残す(体の中心も一部含む)と再生することがわかりました。これから約1年程掛けて再生するので、少し可哀そうな気がします。但し、腕一本の個体は水槽内を這うこともなく、再生しませんでした。