アルテミア(ブラインシュリンプ)の飼育方法

タツノオトシゴは、生きた甲殻類を好んでたべる。自宅では、カリビアンシーホース(ブリード)を飼育しており、毎日2回冷凍ホワイトシュリンプを与えているので餌には困まらない。只、稚魚やワイルドの個体では、生餌しか食べないので餓死してしまう。タツノオトシゴの稚魚と成魚の生餌をすべて繁殖で賄うのは難しい。タツノオトシゴに生餌を準備する方法をあれこれとやってみた結果、今のところアルテミアの餌にナンノクロロプシスを与えて飼育する方法が、現実的(費用的に継続できる内容)である。

タツノオトシゴの餌 対象 大きさ 難度 飼育環境 エサ
ヨコエビ(海洋性) タツの成魚 1~5mm 維持は容易・大量の繁殖は難しい 雑食
イサザアミ(海洋性・汽水) タツの成魚 1~10mm 長期飼育は難しい 雑食・植物性プランクトン
アルテミア(ブラインシュリンプ) 稚魚・幼魚 0.2~10mm プラスチックケースで飼育可能 雑食・植物性プランクトン
シオミズツボワムシ(海洋性) タツの稚魚 0.1~0.3 mm ペットボトルで繁殖できる 植物性プランクトン

❖ ヨコエビ
サンゴ砂に潜り比較的丈夫であるが、たくさん入れるとタツノオトシゴに引っ付き、ストレスになるようである。購入して余った分は、リフジウム水槽で育てることができる。多くのヨコエビを長期に育てる場合は、固形の餌(熱帯魚のエサ等)を与えると良い。繁殖は可能であるががタツの消費に追いつかない。タツノ糞を見るとヨコエビは形がわかるので、あまり消化ができていないようである(殻が固いのか?)。少し醜こともあり観賞用としては、今一のようだ。

❖ イサザアミ
タツノオトシゴの成魚が、最も好む餌である。たくさん入れても問題ないが、一週間ぐらいで食べつくされてしまう。リフジウム水槽で飼育してみたが、2か月弱で全滅してしまった。飼育は可能であるが、難易度は高い。見た目が美しく、観賞も含めるとタツノオトシゴの生餌では一番のようである。近くの海で取れないかと思い一度、須磨の海岸に探しに行ったが見つけることができなかった。手ぶらで帰れないので、トップを仕掛けてがウミホタルが採取した。これもタツノオトシゴの生餌になりそうだ。何れにせよ、生餌を取りに行くのも大変である。

生き餌をストックするリフジウム水槽(ベランダの外に設置)自宅では、音や音と場所の問題で熱帯魚の機器は全てベランダの外に出しているので、家の中はで快適である。

ストックしたイサザアミとヨコエビ

ヨコエビとイサザアミのストックは、ベランダに設置した棚のうえのリフジウムの中で維持されている。排水口から出て行かないようにメッシュの袋で塞いでいる。

メッシュの袋にたくさんのヨコエビが引っ付いているので、それを毎週タツに与えている。ヨコエビは維持ができるが30cm×30cmのリフジュウム水槽でたくさん培養することはできなかった。結局、イサザアミの繁殖は難しい。ヨコエビは維持できるが生産性が悪いことから、業者から購入するのがいいことがわかった。

どうしても生餌を自前で調達することに拘るなら、手間は掛かるが24時間で孵化するアルテミアを約3週間そだてることが良さそうである。

❖アルテミア(ブラインシュリンプ)
汽水・海水で育つ。産地により最適な塩分濃度は異なる。概ね塩分は薄くても、濃いくても柔軟性がある。温度も30度を少し超える程度なら生きている。一見育てやすそうであるが、大きくするのは意外と難しいとも言われている。飼育のポイントは、水質を維持することである。5日毎に目の細かい繊維で濾して、1/2の海水を入れ替えれば簡単に成長する。アルテミアをタツに食べさせる時は、水槽にアルテミアの汚水を入れずに、濾してアルテミアを与えるようにする。実は栄養豊富なアルテミアであるが、タツノオトシゴに必要なEPA が含んでいないので、餌には不向きと言われている。しかし、海洋性クロレラと言われているナンノクロロプシス(植物性プランクトン)は、EPAを多量に含んでおり、これをアルテミアに与えることで栄養を補填できる。孵化して2~3日間ほど与えてから与ええると良い。またベトナム産のアルテミアは、ソルトレイク産に比べて小さく、最初からEPAを含んでいので、タツノオトシゴの稚魚の餌として利用されることがある。

10日程飼育したブラインシュリンプ
約3週間目のブラインシュリンプ

 

 

 

 

 

ヒーターとエアレーションの環境で飼育
凝集したナンノクロロプシスを食べるアルテミア

 

 

 

 

 

ブラインシュリンプ孵化器 (ハッチャー24)で孵化させてると卵の殻が容易に分離できるので、お勧めである。但し、孵化器なしでも孵化は可能である。酸欠にならないように器に水を薄く張るとエアレーションなしでも孵化をする。大量に湧かすことが必要な時に有効な方法である。ナンノを餌にして10日間育てた写真(左上)でブラインシュリンプの卵の殻と比較すると、数倍~数十倍になっており個体差が激しい。最終的には、写真(右上)大きな個体だけが残り40匹程度になってしまった。もっと大きな器でエアレーションをすれば、大きな個体をもっと数を増すことができるかも知れない(現在テスト中)。また、アルテミアはワムシに比べて、ナンノの喰いつきはよくない。大きく飼育するためには、餌を工夫することが必要である。最善の飼育方法でないが、この位の大きさになれば成魚のタツノオトシゴのエサにもなる。

産 地 中国産 グレートソルトレイク産 ベトナム産
孵化の塩分濃度  ※ 場所・季節で異なる ※ 場所・季節で異なる 3%
ふ化した幼生の大きさ ソルトレイクより一回り大きい 0.08~1.0mm 0.04mm

❏ アルテミアの飼育方法
ナンノクロロプシスの中に入れると、容易に繁殖する。大量に培養するためには酸欠を防ぐためにエアレーションが必要である。タツノオトシゴの稚魚に必須の生餌である。また、塩素には弱いので塩素中和剤を必ず入れる。餌では、ドライイーストや、濃縮淡水クロレラが一般的であるが、タツノオトシゴに必要なEPAがないので、ナンノクロロプシスを与える。シオミズツボワムシシ以外の稚魚用の餌では、サイズが小さいベトナム産のアルテミアで飼育した例がある。培養速度は、通常1.2~1.6倍/日で増える(一週間で3.6~27倍になる計算)
寿命は3日ほどで、メス1匹のみで繁殖し、メスしか生まれない卵を産む。1度に産む卵の数は1~2個、親は卵を付けたまま泳いぎ、多いときには3個も4個つけている。温度は、27~28℃が増殖スピードが速い。密度は、 0.5ml当たり75~150匹が効率よく増殖する。15匹以上では突然全滅することがある。間違っても培養しているナンノの中に入れないことである。一度ワムシのエアレーションをナンノに入れてしまいアッと言う間にナンノは食べつくされてしまったことがある。

タツノオトシゴの生餌として、アルテミアだけで飼育することにしている。アルテミアは、卵から簡単に大量に湧かすことができ、アルテミアを飼育することで成魚の餌にもなるからである。ソルトレイク産の場合、湧かしたてで0.4mm、1日で0.8mm、2週間で10mmになる水温(15~30度強)、塩分濃度(1~3.5%)と、幅が広く大雑把な対応でも安定した生餌である。一方、アルテミアにEPAを補給するために、EPAの含有量が多いナンノクロロプシスを餌するに必要がある。ナンノクロロプシスの培養は、クロレラよりも凝集しやすく難易度は少し高い。狭い自宅でナンノを大量に培養することは難しいのでタツノオトシゴの成魚には基本的に冷凍シュリンプで飼育する。大きく育てたアルテミアは、おやつとして与えることにする。タツノオトシゴの稚魚の餌では、ワムシに代わるサイズが小さいベトナム産を与える。ベトナム産にはEPAが含まれているので一石二鳥の餌である。ワムシは小さく幼魚の餌ではポピュラーあり育てやすいが、常に培養しないと維持ができない。アルテミアは必要な時に沸かすことができるので、これからはベトナム産で育てることにしている。(現在ワムシは飼育していない)

❖ アルテミアの飼育のポイント
☑ 塩分濃度は、海水と同じにする(1kgの水に35gの塩分)
本来、塩分濃度の高い塩湖に生息しているので汽水では長く生きられない

☑ 温度は、26度程度
37度まで生きられるとのデーターがあるので、適当でいいかも知れない

☑ 水替えは、5日に一回30%程替える
成長する個体の歩留まりを上げるためには必要

☑ 餌は、ナンノクロロプシス推奨(脂肪酸DHA補給のため)
ソルトレイクの養殖場では、低価格な大豆粉等を与えているため脂肪酸がないアルテミアが育っている

☑ アルテミアは、アンモニアに弱いので、孵化した水にアンモニアを含んでいるので濾過して捨てる
また、ナンノクロロシプスの肥料にもアンモニアが含まれているので、ナンノクロロシプスの海水のアンモニアを中和する酢を少し入れるか、肥料を使い切ってから与える(PHが8.3程度なら問題ありません)

❖ アルテミアの水質管理について
沸かしたアルテミアの卵を残すとよくないので、アルテミアだけをスポイトで吸い取り、飼育水槽(プラスチックケース)に移す。エアレーションは不要であるが、水深は5~10cmにして酸素を確保する。5日に一度の感覚で半分位の水換えを行う。目の細かい100ミクロンのメッシュシート(Amazonで購入した袋を利用)で作成した目の細かい濾し器(下記の写真)を用意して、アルテミアを掬いだす。汚水がこぼれ出し1/2程度の水量になれば、飼育水槽に入れる。水質管理ができればアルテミアの飼育はそれほど難しくない。(足し水は、水道水をそのまま入れている)

水温も30℃程度なら問題ない。

市販のワムシネットと、自作のワムシネット
ワムシは貫通するがアルテミアは掬える
タタミ織(200ミクロンのメッシュ)

左の写真は、手作りのワムシ用濾器と既成品のワムシの濾器。100ミクロンのシートで過器を作成したが、中国製の袋を利用したため、生まれたてのブラインシュリンプでも掬うことができず半分位が貫通してしまう。但し少しブライアンシュリンプが大きくなれば、問題なく掬うことができた。結局、タタミ織(200メッシュ)のハイテック茶こしを利用している。孵化したアルテミアの大きさが300ミクロンなので、しっかり使える。

車庫の中に設置した物置。扇風機やヒーターを完備

車庫に設置した屋外用物置の中で、ナンノクロロプシスとアルテミアを培養。夏は35℃以上になるので、USB扇風機(左の写真)を活用。(当初は家の中で飼育していたが、クレーマーの奥さんを黙らせるために物置を購入)

❖シオミズツボワムシ(海洋性ワムシ)
ワムシは、汽水でも育つプランクトンして知られているが、タツノオトシゴの餌では海洋性のワムシが用いられる。繁殖力旺盛で、あっと言う間にナンノクロロプシスを喰いつくしてしまう。タツノオトシゴの幼魚に与える餌として培養していた。只、幼魚が居ない時にも飼育(維持)することが必要なことと、ワムシの餌になるナンノも培養が必要になことを煩雑に感じ、今は飼育していない。比較的サイズの小さいベトナム産のアルテミアで代用できないか検討している。アルテミアなら冷蔵庫で数年保存ができ、24時間あれば湧かすことができるのである。尚、ワムシの培養では海水よりも汽水の方がよく育つことがある。理由は、海水のバクテリアが繁殖してワムシより先にナンノを食い尽くすことがある。海水の2/3~1/2がよく増える。また、ワムシをこしとる時は、ハイテック茶こしは、メッシュが大きくて使えないので、ワムシネットが必要である。

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