サンゴの調子を上げる

サンゴフード フィト・ブラスト(植物性プランクトン)でブラインシュリンプを育てる

ブラインシュリンプ(アルテミア)の飼育するために、エサの(植物性プランクトン)ナンノクロロプシスを培養してましたが、手間が掛かるので、市販のサンゴフードのフィト・ブラスト(商品名 phyto・blasto)を使って、ブラインシュリンプの飼育に挑戦します。うまくいけば、タツノオトシゴの生餌(ブラインシュリンプ・ワムシ)を簡単に育てることができます。

phyto・blastoフィト・ブラスト

フィト・ブラスト(phyto・blasto)は、植物性プランクトンのサンゴ用基本フードです。大きさ1-20μmの純海洋性植物プランクトンを主成分とするサンゴフードです。淡水の藻類や野菜を原料に使ったものではなく、植物性プランクトンから作られています。タンパク質やオメガ脂肪酸EPAやOHAなど、自然由来の脂質と様々なビタミン類を供給することで、成長と色揚げを可能にします。またサンゴと共生する褐虫藻に有効な色素を豊富に含んでいます。

※ タツノオトシゴには、不飽和脂肪酸(DHA、EPA)が必須です。海洋性プランクトンは不飽和脂肪酸を豊富に含んでいます。これを与えた、ブラインシュリンプやワムシは体内に不飽和脂肪酸を含んでいます。これまでは不飽和脂肪酸にを多く含んでいるナンノクロロプシス(植物性プランクトン)を培養して、ブラインシュリンプに与えていました。フィト・ブラストで飼育したブラインシュリンプをタツノオトシゴに与えることができれば、手間が省けます。

♦商品名: フィト・ブラスト(phyto・blasto)
     「海水専用」「夜間専用」 植物性プランクトンのサンゴ用基本フード
♦内容物: 精製水・植物プランクトン(海産緑藻類・珪藻類)
♦主成分: 海洋性タンパク質および脂肪酸・アミノ酸・ビタミン類
♦内容量: 250ml
♦メーカ: USA ※ 輸入業者ハートトレード(AQUA GEEK)
♦使い方: 夜間のサンゴが触手を伸ばしている時に、週に2-3回、200Lにつき5mlを水流の強いところに添加してください。ターゲットフィーディング(直接給餌)はベストな手法です。スポイト、ピペットを使用し生体に向かう流れの上流に添加してください。

■評価: 実際にバブルコーラルやコハナガタサンゴにスポイトで与えると、動物性プランクトンフードと比べても、口を大きく開きましたので、サンゴフードとしては可なりいいように思えます。シャコガイやハマグリ等の二枚貝の生育にもいいようです。シオミズツボワムシのエサにもなると思いますが、このブログでは、ブラインシュリンプの飼育用のエサとして使えるのかを試してみます。

植物プランクトンを濃縮植物プランクトンを濃縮

植物性プランクトンが、濃縮・発酵?
液体の比重(塩分濃度)を測ると、海水の1.023に対して、1.029なので濃縮されていることがわかります。また、見た目でも色が濃いくて海苔のような臭いがします。そしてpHを計測すると4.1と酸性でした。これは発酵した場合と同じpH値です。このことから、フィト・ブラストは、植物性プランクトンを濃縮して発酵したものではないかと考えています。ブラインシュリンプ(アルテミア)の飼育に期待できそうです。早速、ニチドウ ハッチャー24 IIを使って、ブラインシュリンプを孵化させて飼育することにします。

ブラインシュリンプ 孵化

ブラインシュリンプの孵化に最適な温度は26度です。もう11月になっているので、ニチドウ ハッチャー24 IIを水槽に沈めて温度を26度に設定しました。エアレーションをすることで卵が循環するので、孵化する確率が高くなります。孵化する24時間が経つと、今回使用したベトナム産ブラインシュリンプの卵の殆どが孵化しました。

飼育する水槽(海水)にスポイトでブラインシュリンプを移しました。ブラインシュリンプは、孵化の時は汽水が適していますが、飼育する時は海水の方がよく育ちます。尚、海水濃度は、少々濃いくても問題ありません。ブラインシュリンプが成育している塩湖の塩分濃度は、かなり高いですから。

ブラインシュリンプ左の写真は。水槽(海水3.5L)にブラインシュリンプを移す → 右の写真は、フィト・ブラストを15cc添加

水槽にフィト・ブラストを振ってからキャップ3杯分(15cc)を添加しました。写真ではわかりにくいのですが、若干緑いろになりました。2日経って海水の色が薄くなっているので更に15ccを追加しました。現在で3日経っていますが順調に育っています。下の写真はエアレーションをして育てているところです。エアレーションなしでも、浅い容器ですることが可能ですが、狭い所でたくさんのブラインシュリンプを育てる時は、エアレーションが必要になります。

ブラインシュリンプの飼育水槽(孵化から2日目)

ブラインシュリンプ飼育の水温は、10℃~28℃の範囲なら問題ありません。孵化から2週間で(生体によりますが)約1cmになります。そして3~4週間で大人のサイズになります。1か月くらいなら水替えをしなくても何とか育ちますが、それ以上はブラインシュリンプを網で濾し取って、水替えをした方がよく育ちます。

フィト・ブラストのエサを与えて一週間になります。1~2日に15CCを与えましたが段々ブラインシュリンプの数が減りました。現在は、殆ど生存していません。理由は、水質が悪化したことと思います。生きているナンノクロロプシスでは問題なかった飼育方法です。

3日間は、ある程度の数のブラインシュリンプが生存していました。フィト・ブラストは、ブラインシュリンプを1~3日間延命させるエサとして使うことができる結果になりました。