タツノオトシゴ

冷凍ホワイトシュリンプの20倍安いタツノオトシゴのエサ!

❏ タツノオトシゴの餌代

タツノオトシゴを長期に渡たって飼育することができるのは、豊かな生活のステータスです例えば、大食漢のタツノオトシゴを飼育(維持)・繁殖させるためには、餌の「冷凍ホワイトシュリンプ」や「生き餌」を準備できる経済力と、時間的なゆとりや、飼育知識(インテリ性)が求められるのです。実際にサラリーマンが、タツノオトシゴを長期的に育てることは、経済的にそれ程大きな負担ではありませんが、ゆとりがないと続きません。

❖  アミエビ(アキアミ・アミ)を試す

タツノオトシゴで最も安く与えられるエサは、アミエビです。近所の釣具屋さんで冷凍ブロックのアミエビが、約1Kgが300円強の価格で売っています。冷凍ホワイトシュリンプの1/20程度の値段です。大きさは、ホワイトシュリンプより大きいので、大きいタツノオトシゴ用になります。早速購入して餌になるか試してみました。

冷凍 釣り用のアミエビ

☑ アミエビ(アミアミ・アミ)
サクラエビ科の列記としたエビである。色は赤くエビのプリプリの感があります。栄養満点で色揚げ効果にも期待できます。



・大きさ: 11~30mm
・生息地: 殆どが海洋性で、日本では秋田県以南、ベトナム、中国、黄海など
・利 用: 朝鮮キムチの風味付けにアキアミの塩辛で利用や、釣り餌や養殖魚の飼料

アミエビをほおばるタツノオトシゴ


栄養は、DHA 6.3 %、EPA 11.9 %等を含むオメガ3系脂肪酸(合計)25.6 %があることと、色揚げ効果のある橙色成分β-カロテンが含まれていいます。栄養価は、申し分のないエサです。

難点は臭いことです。水が汚れることもあり一度軽く水洗いをして冷凍して保存していましたが、今では小さい塊にして洗わずに与えています。ホワイトシュリンプやブラインシュリンプに比べると数倍大きいので、タツノオトシゴが7cm位の大きさでも食べるのに苦労しています。包丁で刻んでから冷凍するといいです。

また、喰いつきは、冷凍ブラインシュリンプや冷凍ブラインシュリンプと比べて、よくないので両方を与えていましたが、そのうち慣れてよく食べてくれるようになりました。

アミエビを10cm強のゼブラスナウトシーホースに与えてみると、近づいてついばんでくれます。大きなものでも何度かついばんで食べています。只、7cm程のカリビアンシーホースは、小さいものを選んで食べていました。10~15cm程あるクロウミウマは、よく食べてくれます。一方で(和名)タツノオトシゴやヨウジウオは食べてくれません。

実際のエサ代は、ホワイトシュリンプでタツノオトシゴ2~3匹の場合、600円/月程度になるので、金額的には大したことありません。でもブリードする場合や、タツノオトシゴとの混泳が可能なマンダリンシュリンプ(ニシキデグリ)などを飼育する時には、安価なアミエビが重宝されます。

❖  生シラス(シロメ)を試す
タツノオトシゴは、釜揚げシラスや、ちりめんじゃこを食べません。但し4月~6月、9月~10月にスーパーの鮮魚コーナーに陳列されている生シラスなら食べてくれます。価格はアミエビの2倍以上しますが、東海地区で釣りの撒き餌として売られているシロメ(冷凍生シラス)を使えば安く購入できます。また少々割高になりますが、通販でも生シラスを手に入れることができます。

生シラスは大きいもので1cm程あるので、包丁で切って与えれば食べてくれます。但し、毎日与えると食べなくなるので、アミエビやホワイトシュリンプ等と一緒に与えたり、入れ替えています。また、ワイルドのタツノオトシゴやヒメタツは、1か月生シラスを程与えましたが、食べてくれませんでした。

生シラスのメリットは、アミエビは体内の酵素の臭いがきついので、安価なエサとして代用できることと、食用生シラスを購入した時に余った分を冷凍して与えるとことで経済的なことです。また、栄養価としてもアミエビに並んで高いのも特徴です。

ホワイトシュリンプやブラインシュリンプだけでは、なぜか一回の抱卵数が少なくなる傾向があります。一方で生きたイサザアミを与えれば一回の抱卵数が多くなることかが知られています。自宅では、生きたヨコエビや自宅で飼育したブラインシュリンプを育てて与えていますが手間が掛かります。

★ 冷凍生エサの喰いつき度の比較表

種 類 冷凍ホワイト
シュリンプ
冷凍ブライン
シュリンプ
アミエビ 冷凍アカムシ 生シラス
カリビアンシーホース
ゼブラスナウトシーホース
クロウミウマ
シーポニー
タツノオトシゴ/ヒメタツ
※ ワイルド

★ 喰いつきの良いエサの順位(総合的なお勧め度No.1は、アミエビ)

1位 生きたブラインシュリンプ(自宅培養)
理由: 最も食いつきがいい。ブラインシュリンプにはナンノクロロプシスを与えているので栄養価(タツノオトシゴに必須のDHA/EPA)が高い。ブラインシュリンプはバケツ2杯で飼育しているが、成長するまで2~3週間必要。ブラインシュリンプを沢山育てるのは、手間が掛かるので現実的でないかも

2位 生きイサザアミ(シーホースウェイズより購入)
理由: 食いつきがいい。販売時期が限られている

3位 生きヨコエビ(アクアファームより購入)
理由: 少し大きいが、水槽内で長期飼育が可能なため、定期的にエサを与えなくていい

4位 冷凍イサザアミ(シーホースウェイズより購入)
理由: 冷凍のエサであるが、生イサザアミ近い色をしている

5位 冷凍ブラインシュリンプ
理由: ブラインシュリンプには、色揚げ成分(天然の赤いカロチノイド※一種アスタキサンチン)が入っている。食いつきがいい。キョーリンの製品はDHA/EPAが含まれているので、最も使っている

6位 冷凍クリーンホワイトシュリンプ(キョーリン)
理由: 最もポピュラーでリーズナブルな餌である

7位 アミエビ(魚釣用)
理由: サイズが大きくて最初は食いつきがよくないかも?。最初はよく食べてくれましたが、そのうちあまり食べなくなった。価格は1Kg 300円程度と激安。但し、毎日与えていると良く喰いつくようになる。2~3か月以上与えているとは、冷凍ホワイトシュリンプや、冷凍ブラインシュリンプと同じ位食いついてくれる。栄養価も考慮すると総合的なお勧め度でNo.1

8位 冷凍アカムシ
理由: 熱帯魚やで手に入り易く、他の冷凍のエサと比べて安価。食いつきもそこそこいい。問題は、栄養が豊富であるがDHA/EPAが少ないこと。自宅ではDHA/EPAが豊富なアミエビと併用している

9位 生シラス(食用・魚釣用)
理由: 手に入り難いことと、食いつきは今一かも?。自宅で生シラス丼をした時の余りを冷凍して与えると経済的。最初はよく食べてくれたが、そのうち食べなくなった。

他のネットでは、タツノオトシゴ死亡の原因として一番考えられることは、餌を食べずに餓死することと言われていますが、ブリードの場合は冷凍ホワイトシュリンプは食べてくれるので餓死することはありません。食欲がない時で水槽の水が中性に傾いている時は、pHを上げる(pH8.2~8.5)と食欲がでてきます。pHを上げる方法は、こちらのブログ(サンゴ(LPS)の共肉が、しぼむ原因はリン酸塩?)をご参照下さい。

タツノオトシゴは、水質が悪化すると皮膚が剥ける病気になります。調子が悪い時は、面倒ですが、水槽の砂を洗っうことで水質が改善します。また、美観を損ないますが底砂をなくすことも一つの方法です。タツノオトシゴは、生エサしか食べないので水質の悪化による食欲不振や、病気で死亡こと多いです。

今の環境は、タツノオトシゴ(ゼブラスナウトと、カリビアン)の3匹飼育と、マンダリンシュリンプ3匹と及び、サンゴを飼育しています。アミエビを沢山与えて余った時は、マンダリンシュリンプの出番です。マンダリンシュリンプはおっとりしているので、タツノオトシゴの混泳にピッタリのパートナーです。

費用と安定供給を考えると、ブリードのタツノオトシゴを飼育して、釣用のアミエビを与えて、併用で冷凍ブラインシュリンプと、冷凍ホワイトシュリンプ等を与えることがベストとです。タツノオトシゴが大きくなると、エサ代を安くするために冷凍アミエビは欠かせません。ある程度の大きさになれば、アミエビだけで飼育しても問題ないと思います。

☑ おまけ動画
冷凍イサザアミを与えている動画です。最近通販で購入したカリビアンですが、よく食べてくれません。(エサの与え過ぎです)ご参考まで。