タツノオトシゴ

タツノオトシゴの幼魚に与える生ワムシ

タツノオトシゴを飼育する場合、ブリードの個体を購入すると殆どが冷凍ホワイトシュリンプを食べてくれるので生餌がなくても育てられます。でもブリードするとなると話は異なってきます。幼魚の大きさに合わせて最初は小さなワムシ、次にコペポーダ、少し大きくなると、アルテミア(DHA,EPA等の栄養を付加)などの生餌を自宅で準備することが必要になります。如何に生餌を効率的に準備できるかが、タツノオトシゴのブリード成功につながります。

 

ナンノクロロプシス、ワムシ、アルテミア(幼生)の大きさの比率

汽水に生息するシオミズツボワムシ
当初は、ワムシの餌としてパン酵母を用いていましたが、ワムシを幼魚に与えると、生存率や活力の低下の問題がありました。その後の研究で、幼魚に必要な不飽和脂肪酸(DHA,EPA)などが不足していることがわかりました。

最近では淡水クロレラにEPAやDHAを含有させた濃縮クロレラがワムシの餌として利用されるようになりました。自宅では、ワムシやアルテミアの餌として海産クロレラと言われるナンノクロロプシス(EPAを含有する植物性プランクトン)を培養しています。

ワムシの他の生き餌として、古くから利用されているアルテミア(ブラインシュリンプ)があります。耐久卵が缶などに入れられて販売されています。アルテミアは、世界の塩湖や塩田に生息しています。昔は日本の塩田にも生息していたどうです。アルテミアの耐久卵を海水に入れると1日で孵ります。

ベトナム産のアルテミアは、比較的小さくEPA、DHAが含有しているようなので、ワムシの代わりに使えそうです。自宅ではナンノクロロプシスで、ワムシと、アルテミアを培養しました。

主な幼魚の生餌

名 称 分 類 サイズ(mm) 備 考
アルテミア ホウネンエビ 孵化:0.4~0.5
24時間:後0.8
ワムシの後に利用される。EPA、DHAの強化が必要
アカルチャ カイアシ類 0.1~1.5 海外企業で大量に培養される
チグリオパス 0.1~0.7 コペポーダである。付着性のため摂取しにくい
プロアレス ワムシ類 約0.075 被甲がないワムシ
ディアファノソーマ ミジンコ類 0.45~1.1 汽水産であるが海水でも生存でき大量培養の研究が進んでいる

タツノオトシゴを飼育する場合は、最初の幼魚にワムシが与えられています。L型ワムシの大きさは、0.2~0.3mmなので、アルテミアの0.4~0.5mmよりも若干小さいですが、ベトナム産アルテミアは、小さいのでL型ワムシ程度と思われます。

価格は高いのですがEPA,DHAも含有しているので、ベトナム産アルテミアだけでタツノオトシゴをブリードできると考えています。

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