タツノオトシゴ

タツノオトシゴの種類と見分け方

❏ タツノオトシゴの種類の飼育について

これまで飼育したことのあるタツノオトシゴは3種類です。「日本のタツノオトシゴ」「サンゴタツ」「ヒメタツ」「カリビアンシーホース」「ゼブラスナウトシーホース」。飼育の難易度は、ブリードか野生で異なります。種類ではそれ程大きな差がないように感じます。初心者にはタツノオトシゴの飼育は、少し難しいかもしれません。朝晩2回の餌を与えています。寿命は5年程です。

ヤフオクでは、近海で取れたタツノオトシゴが販売されていることがあります。ハナタツを購入しましたが、よく調べると擬態になったタツノオトシゴでした。確かに「タツノオトシゴ」「ヒメタツ」「サンゴタツ」の見分け方は、それぞれが擬態になることが多いので、難しいです。
タツノオトシゴとヒメタツは、擬態になっていることが多く、ハナタツと同じ大きな皮弁(ひべん)があるので、ハナタツとして扱われることがあります。擬態の場合は、口の長さや冠の高さで見分けるしかありません。

下の写真は、ハナタツとして売られていた生体です。何の種類かわかりますか?

タツノオトシゴと、クロウミウマ


正解は、冠が後ろに伸びていますが、冠が少し小さいのでヒメタツです。

♦飼育のポイント
・体が大きく、冷凍ホワイトシュリンプを食べる個体は、飼育が容易である
・小さい個体は、水質の悪化に弱い
・混泳は避けた方がいい。(餌を横取りされる。水が汚れるため)
・管理できる温度に対応した個体を選ぶ(寒冷地の種類は設備が必要)
シーポニーの飼育温度は、20度程度(最高26度)なので、大型クーラーが必要

タツノオトシゴ: 頭の冠が高いのが特徴タツノオトシゴ: 頭の冠が高いのが特徴


日本のタツノオトシゴ

漁師さんの網に引っかかるタツノオトシゴがよく販売されています。餌はイサザアミで飼育できていますが、野生のため冷凍ホワイトシュリンプを食べない個体があります。生餌があれば時間を掛けて冷凍餌に慣れさせることが可能です。無責任かもしれませんが価格がワイルドは安いので、大きい個体を5匹位購入すれば3匹位は、冷凍ホワイトシュリンプを食べてくれます。餌付けできれば長期の飼育が可能です。小さい個体はブラインシュリンプを与えます。

♦ 大きさ: 6~13cm
♦ 温 度: 20~25度
♦ 色 : 黄、黒褐の大理石模様(擬態になる)
7~11月に繁殖。一回に10~50の子供を産む

❖ カリビアンシーホース

カリブ海や南米に生息。カリビアンシーホースの魅力は、多彩なカラーバリエーションがあります。また、ブリード個体が殆どなので飼育が容易です。オレンジ、レッドのカリビアンは、高価なので1万円以下で購入できる黒の個体を飼育しました。価格の安いネットで購入すると調子の悪い個体もいます。3匹購入したが一匹が直ぐに★になりました。また、大きな個体は一時的なら水質が悪化しても問題ありませんが、小さな個体は★になることがあるので注意が必要です。飼育は難しくありませんが、簡単でもありません。

♦ 大きさ: 15cm
♦ 温 度: 26度(夏場は28度強で飼育していたが問題なかった)
♦  色 : 色は黄、赤、茶

カリビアンシーホース


❖ ゼブラスナウトシーホース

インドネシアに生息。口元にゼブラ(シマ)模様があり、品のある容姿をして人気があります。熱帯魚と同じ環境で飼育できる。ブリードなので冷凍ホワイトシュリンプをよく食べます。写真では、わかりにくいが飼育しているのは、ホワイト系の黄色と、ヤマブキ系の黄色です。

ゼブラスナウトシーホース

♦ 大きさ: 8~15cm
♦ 温 度: 26度
♦ 色 : 白、淡い黄、赤茶

❖オオウミウマ
暖かい海にすむ大型のタツノオトシゴの仲間です。体色は、自茶色・黒・赤です。比較的冷凍のホワイトシュリンプを食べてくれるので飼育しやすいようです。滑らかな体表をしているので漢方薬の材料として珍重されています。伊豆半島以南。~インド・西部太平洋に生息しています。オオウミウマは汽水域で見られることもあるほか、水深120m程のところでも生息していることがあります。水深の深いところを好むので、自然環境下で撮影されることは稀です。

♦ 大きさ: 18cm~28cmcm
♦ 温 度: 26度
♦  色 : 白、淡い黄、赤茶

タツノオトシゴオオウミウマ

オオウミウマの動画(YuoTube) タツノオトシゴの種類

❖クロウミウマ
クロウミウマは、近縁種のオオウミウマとはよく似ていますが、体は小さく尾部が短いです。生息数は減少しており、絶滅危惧種になっています。日本では鹿児島や沖縄、高知、八丈島。また、和歌山県では、田辺湾・串本で発見されています。主に汽水や内湾や沿岸の浅いサンゴ礁域や岩礁域などに生息しています。水深は、10m~70m付近で発見さます。

♦ 大きさ: 15~17cm(自然では30cm)
♦ 温 度: 26~30度
♦  色 : 白、淡い黄、赤茶
※ クロウミウマの体色は、一般的に成長するとオスは黒色で、メスは黄色や黒褐色になります。

右がクロウミウマ。現在は15cm位に成長しています。(左はゼブラスナウトシーホース)


❖サンゴタツ
国内で生息しているタツノオトシゴの中では最も小さいです。顔は丸みがあって可愛いのですが、様相はサンゴの名に相反して地味です。生息地は、日本(函館以南)の他では、中国やベトナムです。また、浅い温帯域や汽水域でも見ることができます。子供を一度に産む数は少ないのですが、幼魚は比較的大きく、オスのお腹(育児嚢)から出る時は8mm程になっています。ブリードし易いと思われます。日本では春と秋に産卵します。

♦ 大きさ: 5~8cm
♦ 温 度: 15~28度(生息域により異なります)
♦  色 : 黒、黄、茶

サンゴタツ

写真(上)のサンゴタツは、日本で取れた大きさ7cm前後のワイルドです。5匹中4匹が元気に冷凍ブラインシュリンプやホワイトシュリンプを食べています。温度や塩分濃度に幅があるので、水質管理にうるさくなく丈夫です。自宅では26℃で飼育しています。

❖ヒメタツ
2017年にヒメタツが新種に認定されました。これまではタツノオトシゴとして認識されていましたが、水俣に生息しているタツノオトシゴの多くが、新種のヒメタツとわかりました。タツノオトシゴとの違いは、頭の突起が低く、背ビレの基底付近に側方へ張り出す突起があります。生息は、日本海や伊豆、天草などで、アマモやホンダワラが生えているところに多く居ます。

♦ 大きさ: 8~10cm
♦ 温 度: 15~28度(生息域により異なります)
♦  色 : 黒、黄、茶、赤、※ 部分的に青色になる生体がある

ヒメタツの擬態(タツノオトシゴかも知れません)


上の写真のヒメタツは、静岡の海で取れた子供です。体が擬態になっています。ヒメタツは擬態になる生体が多いようです。エサは冷凍ブラインシュリンプを与えています。

❖タスマニアンポニー
胴部にトゲのバリエーションがある。ポットベリー・シーホースとも言われ、ニュージーランドや南オーストラリアに分布。水深は浅瀬から100m迄に生息しています。

♦ 大きさ: 20cm (自然で大きいものでは35cm程になる)
♦ 温 度: 15~24度(水温は低目が望ましい)
♦  色 : 茶色、黄色、灰色、白(これらの色でまだら模様)

タスマニアンポニー


大きくて外観が特徴的で、飼育し易いことから観賞用として飼育されることが多いです。