色上げ

タツノオトシゴを変色させる方法

 

タツノオトシゴの色で最も多いのが黒色です。黒くなる理由は、色々ありますが、主に光が強うことやUVによる日焼けが原因です。タツノオトシゴが変色する原因を 色々調べてみましたので、自宅のテスト結果もあわせてレポートします。

タツノオトシゴを明るい色にする方法:
自宅で飼育しているタツノオトシゴの色は黒で、鮮やかな色からは程遠いです。「何とか鮮やかな赤や黄色にならないか?」色々と調べました。その結果、様々な要因があることがわかりました。ネットの意見では、「光は白くて強くする」とありましたが、テストした結果、益々黒くなりました。変色させるためには光を弱くするのが正解のようです。他の実験結果を調べると、タツノオトシゴの変色には温度、光、周りの色、成長度、水質などが影響します。

色揚げの3要素
タツノオトシゴの色が変ったり鮮やかになったりするのは、主に3つの要素があります。

1.遺伝
そもそも、変色する色の色素胞を持っていないとタツノオトシゴは、変色ができません。きれいな色をしたタツノオトシゴを、親として育てることが重要になります。

2.環境
下記に記述した通り、周りの色や、光、水質等の環境により、タツノオトシゴは色を掛けることがあります。自宅でテストすると、エサよりも効果が大きいと感じました。

3.エサ
鮮やかな色にする「色揚げ」は、エサの影響が大きいです。黄色や赤色をしたカロチノイドを含んだエサを食べることで、色素胞の色が鮮やかになります。

一般的に、熱帯のタツノオトシゴは温帯の種よりも色が明るい傾向があります。また、深海のタツノオトシゴは、他のタツノオトシゴよりも赤とオレンジの色素細胞を多く持っていることがよくあります。タツノオトシゴが持つ色素細胞の種類は、種によって異なります。すべてのタツノオトシゴが、同じ色のパレットを自由に使えるわけではありません。タツノオトシゴの中には、色素胞がないために赤くなれないものがあります。深海のタツノオトシゴは、他のタツノオトシゴよりも赤とオレンジの色素細胞を多く持っていることがよくあります。

また、飼育下のタツノオトシゴでも様々ないろに変色することがあります。カラフルな養殖タツノオトシゴの殆どは、ホモ接合性劣性遺伝でなく、突然変異でもありません。色素細胞の伸縮により変化をしています。

 

皮膚の表面にある色素胞の拡大イメージ。 黒色→ 黄色(変色) →黄色が鮮やかになる(色揚げ)


タツノオトシゴは、求愛や仲間を求めて競争する時に必要に応じて明るくなる可能性がありますが、直ぐに色は戻ります。逆に長い時間を掛けて変色した色は、長い時間をかけて戻って行きます。タツノオトシゴは、感情的な状態-興奮すると通常、高い覚醒状態を反映して色が明るくなります。一方、恐怖、不安、苦痛は、一般的に暗くて暗い色合いになります。

タツノオトシゴの変色の傾向は、成長度によって異なります。凡そ、若魚 → 幼魚 → 成魚の順に変色率は、約5%ずつ高くなる調べがあります。また、ワイルドより、ブリードの個体の方が5%程度変色の率が高くなった実験結果がありました。

変色(色揚げ)の環境について:

①水質
高レベルの窒素廃棄物(アンモニア、亜硝酸塩、硝酸塩など)は、色素胞を収縮させることから色を薄くする可能性があります。アンモニアと亜硝酸塩をゼロに維持することが必要です。またpH は、8.2~8.4にして、比重を1.021~1.025の快適な環境にします。

②O2/CO2-低酸素レベル(または高CO2レベル)
色とりどりのタツノオトシゴを退色させる可能性があります。この場合、色は白くなります。

③光(照明)
タツノオトシゴは、UV放射や、過度に明るい照明に反応して黒色になります。保護手段として過剰なメラニンを生成するためと考えています。逆に可視スペクトルの赤い端に向かってシフトした光の波長の蛍光灯では、暗い色のタツノオトシゴは、赤・オレンジに変色します。

④回りの色(バックスクリーン)
タツノオトシゴは、周囲の環境に溶け込むために色が変わることがよくあります明るい黄色または、オレンジ色のタンクメイトがいる水族館に導入されると、暗いタツノオトシゴが明るくなり、鮮やかな色合いになります。同じように、明るい色のタツノオトシゴが暗くなり、単調なタンクメイトの中に入れると落ち着いた色になります。もちろん、タツノオトシゴはこのように順応するのは本能的な行動です。自然界では、他の群れから目立つ個体が潜在的な捕食者の注意を引くため、目立ちすぎて群衆の中に突き出るのは得策でありません。そのためには、色鮮やかなソフトコーラルを入れることも有効ですが、手軽に手に入るプラスチックのカラフルなサンゴを入れるといいでしょう。

⑤温度(水温)
色素胞は高温(タツノオトシゴの快適ゾーンより上)で収縮する傾向があり、色が薄くなります。最適な範囲内の温度が低いと色素細胞が膨張するので、色が明るく保たれます。実験結果で最も変色率が高かったのは、温度が29℃の時に80%前後が変少くした(5週間後)とありました。しかし、29℃ではタツノオトシゴが快適に過ごせる温度ではありませんので、色揚げより健康を考慮すると26℃迄がいいように思えます。

⑥ストレス
タツノオトシゴは、振動を検出するために特別に設計された器官を持っており、外部の騒音や外部の衝撃や振動の源に敏感です。空気ポンプ、パワーフィルター等の音がない環境にします。、野生のタツノオトシゴを警戒する可能性があり、脅迫されていると感じると、潜在的な危険に直面して身を隠すためにカモフラージュに頼って、暗くなるか、不可解な色を帯びて反応します。

⑦エサ
健康を保つ不飽和の脂肪酸(DHA)を取得が必要です。DHAは、魚の高い生存率、神経発達、ストレス管理、および適切な繁殖に不可欠なことが証明されています。そして色揚げにはカロテノイドだけでなく、ビタミンAとCもを与えることでタツノオトシゴに色を鮮やかに保つことができます。自然界では、アスタキサンチン(カロチノイドの一種)を含む赤いエビを食べることで、タツノオトシゴが赤くなる可能性ががあります。

手軽にできる変色(色揚げ)方法(まとめ)
◆明るさは、500LXにする(少し暗め)にして、植物育成用の赤色のLEDを照射する

光の強さは暗い方が変します。変色率は、500、1000、1500、2000、2500、3000LXの中で最も変色率が高かった明るさは、00LX(蛍光灯20Wの直下50cmの照射面)が最適との調べがあります。明るい色はタツノオトシゴが日焼けを起こして黒くなります。

明るさの指針
 ※ 500LXは、大型店舗
 ※ 1,000LXは、百貨店、パチンコ店の明るさ
 ※ 2,000LXは、ショーウィンドウ
 ※ 1,0000LXは、晴天
尚、赤のLEDを補助的に照射すると、個体によりますが赤色に変色することがあります。また、青や紫のスペクトルではなく、暖かい白色の照明を利用すると、タツノオトシゴが明るい色合いを披露できるようになります。

◆バックスクリーンの色は青色がベスト
明るい青色の水族館の背景をインストールするといいでしょう。また、ライブロックや砂で占められるのではなく、人工の鮮やかな色(黄色、オレンジ、ピンク、青)の人工砂やプラスチック製のサンゴを入れます。

タツノオトシゴの赤色について:
オレンジと赤は、タツノオトシゴが表示する典型的な色ではありません。赤とオレンジの野生のタツノオトシの飼育下では、黄色や他の色に早く変色します。一部の野生のタツノオトシゴに見られる明るい赤とオレンジの色は、自然光、食餌、またはその他の要因によるものと思われます。これは、飼育下のタツノオトシゴに通常見られる着色ではありません。

野生のタツノオトシゴは、赤い天然色の要素のアスタキサンチン(カロテインの一種)を含んだ赤いエビを食べていることが要因と考えています。サケが赤いのもアスタキサンチンを含んだエサを食べているからです。尚、キョーリンの冷凍ブラインシュリンプにはアスタキサンチンが含まれています。

最近の実験:
自宅で色々と試しましたが、光は明るい方がいいと聞いていたので、殆どの条件で明るくしたため、いい結果を得ることができませんでした。現在は、「明るさは、500LXにする(少し暗め)にして、植物育成用の赤色のLEDを照射する」だけの条件で試しています。3週間程経過しましていますが、6匹中5匹の色が黒からブラウンや黄色、黒色の斑になりました。5週間程すれば更に変色が進むと考えています。

自宅のタツノオトシゴのテスト前の写真
(3週間後)変色したタツノオトシゴ。一番左は、黒から黄色に変色中。奥はの2匹は黄色くなっている

 


自宅のタツノオトシゴは、購入した時は真っ黒な個体ばかりでしたが、光を弱くすると2~3週間程で、黒色の皮が剥がれだして黄色に変色したり、模様が表れて変色するようになりました。光が強いとUV(紫外線)から体を守るために黒い皮で覆われるようです。



これまでに自宅でテストした結果(変色の失敗の事例):
これから下の実験レポートは、色揚げに失敗した内容です。ご参考になれば幸いです。

失敗の理由
鮮やかな熱帯魚の場合、暗いと色は薄くなり明るいと鮮やかになることは知られています。そして、タツノオトシゴを変色させるために照明を強くしてみましたが、結果は逆効果で益々黒くなりました。色々下記の内容で色々テストしましたが、光が強すぎたことで成功しませんでした。

テスト内容
最初に自然な環境で鮮やかなオレンジや赤を楽しむために、サンゴ用の青いLEDに加えて植物育成用の赤色のLEDを設置して1ヶ月様子をみることにしました。

色上げの効果 
① 赤色LED照明(植物の飼育用)を1か月照射する
② 赤いバケツの中で、太陽の光で2週間育てる
③ 青と白のバックスクリーンをそれぞれ水槽の3面張って2か月飼育する

効果は、①~③の全てで明確に確認できませんでした。現在は、自然な雰囲気を保つために黒のバックスクリーンとフルスペクトルのLED照明で、タツノオトシゴを育てています。

テストの内容(写真)

タツノオトシゴの色上げショップの水槽を参考に水槽をアレンジました


左の写真のタツノオトシゴを購入しましたが、1ヶ月程で右の写真のように黒い体になってしまいました。色を黄色にするために、ショップと同じように水槽のバックスクリーンを青色にして、プラスチックのくさりを吊るした水槽で飼育して、色上げを試みました。1か月以上経過しても効果がありませんでした。次は、下の写真のようにオレンジのバケツで外の光で変色するかを試みました。

日当たりの悪いベランダですが、昼の1~2時間ほど日が差します


今度は、オレンジのバケツに水を循環させて太陽の光で2週間ほど飼育しました。周りが派手な色なのでタツノオトシゴも派手な色になるかと思いましたが、残念なことに黒色のままでした。

結局、色上げの方法は解明できませんでした。但し、夜に真っ暗になると明け方は体か白くなっていたので、環境により変色することはわかっています。ショップで聞くと赤い個体が黄色になることもあるので、詳細はわからないとのことでした。

タツノオトシゴの色揚げができない結果になり、残念です。疲れました。只、言えることは野生のタツノオトシゴの撮影を見ると、普通に擬態で変色をしています。赤いサンゴにつかまっているタツノオトシゴは赤く、黄色いサンゴでは黄色でした。岩のタツノオトシゴは岩の色をしています。

一旦は、タツノオトシゴの色揚げを諦めましたが、複数の情報から太陽光に近い光を強烈に当てるとタツノオトシゴが変色することを確認しました。今度は、前よりも明るくするために屋外用のLED2個(合計20~30W)と、サンゴ用LEDで水槽を明るく照らしてみました。

タツノオトシゴを色揚げするために太陽に近い光を照射(この強い光で逆に黒くなりました)
白くて強い光をクロウミウマに照射
4台のLEDをタツノオトシゴの水槽に照射

 

 

 


実際は、写真よりも明るい光です。このまま2~3週間程様子を見ます。熱帯魚は暗いと体がグレーになり、明るいと鮮やかな色になるので、このLEDで明るくする方法は、理にかなっているようです。クロウミウマは、黄色やオレンジに変色するので楽しみです。3週間後に結果を報告いたします。

 

 

 

 


3週間が経過しました。タツノオトシゴの色に変化がありません。以前も同様のことをしましたが、今回はLED照明を4台に増やして再チャレンジをしましたが、結局ダメでした。誰かタツノオトシゴの色揚げの方法を教えてください。

諦めきれず、今度は植物用のLED(赤色)を照射して、タツノオトシゴが変色するかを試すことにしました。左側には、サンゴを育成するためにロイヤルブルーのLEDを設置しています。(こちらは、光が弱かったことで、変色に成功しました)

植物用のLEDをタツノオトシゴに照射


約3~4週間位、赤のLEDの光を照射しました。以前に、明るい赤色のLEDを照射したことがありますが効果がありませんでしたので、今回は薄暗い赤色の光にしました。タツノオトシゴ(クロウミウマ)は、2週間ほどで体が白っぽくなりました。タツノオトシゴは暗いと一時的に体が白くなるので、今回も効果がないと思い元の照明に戻しました。すると、今度は5匹中2匹の色が変わっているではありませんか。

変色したタツノオトシゴ


鮮やかな色ではありませんが、通常の照明に戻して4週間経過しましたが、今も2匹は真っ黒から赤茶色と、黄色っぽい色を維持しています。赤色のLEDを照射する前は真っ黒だった5匹のタツノオトシゴは、個体差はあるものの周りの光によってタツノオトシゴの色が変わることが証明されました。今回の実験では、照明が暗かったので変色したと思われます。但し、青色の光を照射したことは色焼けの要因となりマイナスでした。タツノオトシゴの色は、ショップの鮮やかな色からは程遠い色でが、次は、天然色のオレンジ(カロテン)を含んだエサを与えて、鮮やかな赤や黄色にならないかを実験しています。次のページ「鮮やかなオレンジや、赤、黄色に色揚げする方法」をご参照下さい。