サンゴの調子を上げる

ハードコーラル(LPS)飼育ポイント

オオバナサンゴの骨格が露出
自宅の水槽には、タツノオトシゴの他もソフトコーラルと、ハードコーラルLPS:Large Polyp Stony Coral(※ ポリプが大きいハードコーラル)を飼育しています。オオバナサンゴは、丈夫で飼いやすいと言われていますが、LSPの飼育は、タツノオトシゴより難しく、1ヶ月もしない内に徐々に共肉が剥がれ骨格が見えてきましまいます。勿論、ソフトコーラルや、他の生き物は元気に増殖している環境です。

ショップのベテランに聞くと、「水質が合っていない」ことが原因とのアドバイスをいただき、水槽をチェックすると意外なことがわかりました。次の下記の内容を改善するとで、今ではLSPやソフトコーラルを長期に飼育できるようになりました。

共肉が出てるバブルサンゴとコハナガタサンゴが、少しづつ再生している写真

★考えられる原因★
できてるつもりで、できていないことが塩分濃度の管理です。サンゴ礁は、塩分濃度が薄いと★になります。海水魚は、塩分濃度が濃いと★になります。海水の比重が1.022~1.023になるように心掛けます。(塩分濃度は、2.9%~3.1%です)

※ 海水魚も飼育している場合は、リン酸塩の増加が原因の可能性が高いです。こちらのページで説明しています。

❖ 塩分濃度の管理方法

 塩分濃度が適切でない(比重計でなく、塩分濃度計を利用する)
プラスチック容器に海水を入れる比重計は、不純物がついて誤差が大きくなるので1年で交換することが必要です。屈折式の塩分濃度計は正確で安価です。ATC自動温度補正システム付き塩分濃度計がお勧めです。但し、屈折式は直ぐに基準値が違ってきます。毎週(毎回)校正チェックをしないといけません。最もお勧めするのは、高価ですが1万円台のデジタル塩分濃度計(MS-31)です。3秒で比重と塩分濃度、温度が測定できます。正確なので、サンゴの飼育に最適です。(最初からこれを使えばよかったと思っています

自宅の水槽で、該当していたのは塩分濃度が低かったことと、プロテインスキマーのインペラーの掃除ができていなかったことが原因でした。ハードコーラルは、特に塩分濃度が薄いと調子を崩します。早速、塩分濃度計を購入して使ってみると、以外と比重計より簡単に塩分濃度を測定できることが気に入りました。海水を数滴乗せるだけで測定できます。

10Lバケツと人口海水計量カップ

また、水替えを簡単にできる。10Lのバケツ(メモリ付き)と、人工海水計量カップを利用すると楽ちんに水替えができます。計量カップに一杯の人工海水を入れて、10Lの水に入れるだけで適正な塩分濃度の海水を手軽に作ることができます。バケツは12L以上のメモリ付きがお勧めです。

海水魚を飼育するポイントは、最初に設備を整えて手間を掛けずに育てることかもしれません。

 

☑  水換えが足りていない
硝酸塩を除去するだけでなく、LPSに必要な栄養補給にもなります。海水の素(人工海水)がサンゴに向かない安価なものは、熱帯魚用です。骨格形成の要であるカルシウム、ポタシウム、ストロンチウム、マグネシウムのほかヨウ素や微量元素を添加(デルフィス コンビネーション等)することで解決します。自宅では、人間のサプリメント(マルチミネラル)で代用しています。

☑  プロテインスキマーの調整(掃除)ができていない
高価な物を購入しても、機能していないと能力が半減します。早速、インペラーを掃除すると、泡立ちが良くなり水質が向上しまます。また、固形の汚れが剥がれ落ちて、汚れを除去できなくなることがないようにします。

☑  ろ材を粗目のサンゴ砂にする
オーバーフロー水槽の濾過槽にあるセラミックやガラス等のろ材をサンゴ砂(粗目)にすることで、水質の維持が容易になります。サンゴ砂から成分が溶け出した石灰やサンゴに必要なミネラルを補給することができます。そして海水のアルカリ性も維持することもできます。炭酸塩(炭酸ソーダ)等のアルカリ分は、硝化作用でどんどん消費されます。アンモニアの量に対して7倍程度のアルカリ分が必要と言われています。尚、サンゴ砂(粗目)の量は、海水の20%になるようにします。

また、サンゴろ材を使うことで、リン酸塩の発生も抑える効果があります。価格が安いことやpHの安定にも魅力があります。是非お試しください。尚、効果が出るまでは、硝化菌が増殖が十分に増殖する2ヶ月程の期間が必要です。