繁殖

タツノオトシゴの繁殖(ブリード)

(標準和名)タツノオトシゴは大きな冠があるのが特徴です。生息は北海道~九州。朝鮮半島南部です。産卵期は春~秋でこの期間に何度も生みます。幼魚は比較的大きく1.3~1.5mmの長さで、一度に10~20匹程生みます。一方で大型種のクロウミウマの幼魚は7mm程と小さく、百数十匹の幼魚を生みます。クロウミウマの幼魚のエサには、口が小さいので小さなワムシを与えますが、タツノオトシゴの場合、大きなブラインシュリンプで育てることができます。また、色は黄色が多く、様々な模様の個体が多いのが特徴です。個人で繁殖させるのに打って付けではないでしょうか。

タツノオトシゴ(オス)とクロウミウマ(オス)

自宅の水槽では、タツノオトシゴ、クロウミウマ、ヒメタツを飼育しています。ワイルドの幼魚から育てたタツノオトシゴは、4匹中3匹が成魚(7cm程)に育ちました。タツノオトシゴはオスメスの区別がつくようになると、早速 求愛(下の写真)が始まりメスがオスのお腹に白い卵を産み付けました。

タツノオトシゴの求愛タツノオトシゴの求愛

タツノオトシゴのオスは、お腹を膨らまし真ん中に大きな穴を開けて、メスの産卵を促します。それでもオスは簡単に卵を受け取ることができません。何度も求愛が行われてやっと成功するようです。卵を受け取ってから3週間目になると出産間近なので、生まれた幼魚が逃げないようにオスを産卵箱に隔離しました。卵から24日程で8匹程のタツノオトシゴの赤ちゃんが生まれました。

産卵箱の様子(左の写真)、生まれたてのタツノオトシゴがブラインシュリンプを食べてます(右下の写真)

エサは、ブラインシュリンプを朝と晩に湧かせて与えています。上の拡大写真は産卵箱の中のタツノオトシゴの幼魚とブラインシュリンプ(ベトナム産)です。スマートフォンのカメラで撮影したのでピントがありませんでした。

産卵箱で工夫したことは、ブラインシュリンプの密度が高くなるように、大きな穴を開けて100ミクロン程のメッシュの細かいシートをボンドで張り付けています。水の入れ替えをするためにシャワーパイプで海水を上から流しています。1週間目以降は冷凍のベビー用ブラインシュリンプも合わせて与えています。

タツノオトシゴの産卵箱(手作り)

エサの順番
クロウミウマ > 生きたワムシ ⇒ 生きたブラインシュリンプ ⇒ 冷凍ブラインシュリンプ
タツノオトシゴ> 生きたブラインシュリンプ ⇒ 冷凍ブラインシュリンプ

ある程度大きくなると、ベビーブラインシュリンプと生ブラインシュリンプを併用します。
更に大きくなると、成魚と同じエサの冷凍ベビーシュリンプや冷凍ホワイトシュリンプを与えます。ブラインシュリンプは、自宅の水槽設備の至る所(下の写真)で湧かしています。

ブラインシュリンプを湧かす場所ブラインシュリンプを湧かす場所

生まれた時にブラインシュリンプを湧かして翌日から与えています。ブラインシュリンプを毎日湧かすのは手間が掛かります。できるだけ手間を掛けないためにリフジウム水槽の中では、海水は水槽の水を入れて、エアレーションなしで湧かしています。器は浅いものを使い酸欠を防ぎます。少しふ化率がよくないかも知れませんが特に問題ありません。

更に保険で、合計4か所で湧かせています。24時間以上の時間を掛けることで、ふ化率を上げることができます。ブラインシュリンプは、朝晩の2回に分けて与えています。見る見る大きくなって元気に泳いでいます。

エサの問題
タツノオトシゴのエサの成分には、DHA/EPA(脂質成分)が必要です。ワムシや、ブラインシュリンプには含まれていません。この成分がないエサだけを与えていると長期の飼育ができません。対処方法として、EPAを多く含むナンノクロロプシス (植物性プランクトン)をワムシやブラインシュリンプに与えてます。EPAを含んだナンノクロロプシス ブラインシュリンプをエサとしてタツノオトシゴに与えることが必要になります。

タツノオトシゴをブリードしるために植物性プランクトンの飼育から始めるのは手間が掛かりすぎます。ベトナム産のブラインシュリンプなら、体が小さくEPAを含んでいるのでタツノオトシゴの幼魚のエサとして最適です。また、キョーリンの冷凍クリーンブラインシュリンプ冷凍ホワイトシュリンプは、体内にDHAやEPAなどの栄養を保持していますので、これらのエサを使うことでタツノオトシゴを飼育・繁殖が簡単にできます。
生まれて一週間のタツノオトシゴの幼魚

ブラインシュリンプを湧かし過ぎたので、
密度を高めて1日1回に与える回数を減らしました。在庫のブラインシュリンプの栄養(DHC/EPA等)が落ちないように、ブラインシュリンプに植物性プランクトンのエサ(アクアギーク フィト・ブラスト 「植物性プランクトン使用」)を与えています。

アクアギーク フィト・ブラスト (植物性プランクトン使用)

以前はナンノクロロプシスを培養して与えていましたが手間がかかります。アクアギーク フィト・ブラスト には、タンパク質やオメガ脂肪酸EPAやDHAなどが含まれているので、今ではこれを与えています。エサを与えてもブラインシュリンプの数が減りますが、2日程度なら問題なさそうです。また、ブラインシュリンプにDHC/EPAの補給することが目的なので、他のエサでもDHC/EPAが含まれているなら問題ないかも知れません。生まれた時にブラインシュリンプを湧かして翌日から与えています。ブラインシュリンプを毎日湧かすのは手間が掛かります。できるだけ手間を掛けないためにリフジウム水槽の中では、海水は水槽の水を入れて、エアレーションなしで湧かしています。器は浅いものを使い酸欠を防ぎます。少しふ化率がよくないかも知れませんが特に問題ありません。

更に保険で、合計4か所で湧かせています。24時間以上の時間を掛けることで、ふ化率を上げることができます。ブラインシュリンプは、朝晩の2回に分けて与えています。見る見る大きくなって元気に泳いでいます。


エサの問題
タツノオトシゴのエサの成分には、DHA/EPA(脂質成分)が必要です。ワムシや、ブラインシュリンプには含まれていません。この成分がないエサだけを与えていると長期の飼育ができません。対処方法として、EPAを多く含むナンノクロロプシス (植物性プランクトン)をワムシやブラインシュリンプに与えてます。EPAを含んだナンノクロロプシス ブラインシュリンプをエサとしてタツノオトシゴに与えることが必要になります。

タツノオトシゴをブリードしるために植物性プランクトンの飼育から始めるのは手間が掛かりすぎます。ベトナム産のブラインシュリンプなら、体が小さくEPAを含んでいるのでタツノオトシゴの幼魚のエサとして最適です。また、キョーリンの冷凍クリーンブラインシュリンプ冷凍ホワイトシュリンプは、体内にDHAやEPAなどの栄養を保持していますので、これらのエサを使うことでタツノオトシゴを飼育・繁殖が簡単にできます。

ブラインシュリンプを湧かし過ぎたので、密度を高めて1日1回に与える回数を減らしました。在庫のブラインシュリンプの栄養(DHC/EPA等)が落ちないように、ブラインシュリンプに植物性プランクトンのエサ(アクアギーク フィト・ブラスト 「植物性プランクトン使用」)を与えています。
以前はナンノクロロプシスや、キートセロスを培養して与えていましたが手間がかかります。アクアギーク フィト・ブラスト には、タンパク質やオメガ脂肪酸EPAやDHAなどが含まれているので、今ではこれを与えています。エサを与えてもブラインシュリンプの数が減りますが、2日程度なら問題なさそうです。また、ブラインシュリンプにDHC/EPAの補給することが目的なので、他のエサでもDHC/EPAが含まれているなら問題ないかも知れません。(プレコのエサを粉末にして与えたこともあります)

産卵箱の上のシャワーパイプ


産卵箱にブラインシュリンプを足していくと、ブラインシュリンプの密度がどんどん高くなります。食欲大生なのでブラインシュリンプを沢山湧かして与えると幼魚のお腹が丸くなって、どんどん大ききなって行きます。2cm位になると、冷凍コペポーダや冷凍ベビーブラインシュリンプを与えます。意外とすんなり食べてくれました。大きさが
3cm位なれば、産卵箱から水槽へ移します。

ヒメタツ幼魚 3cm

 


生まれたから30日のタツノオトシゴの幼魚は、無事3cm位に成長しました。自作の産卵箱でタツノオトシゴを育てることができるのがわかりました。この方法(産卵箱にメッシュシートを貼って、エアーシャワーを付ける)で、野生のタツノオトシゴやテングカワハギ、ヨウジウオも餌付けもしました。手間が掛かりますが、必須アイテムです。